[CG2203]ASD FieldSpec 4 可視・近赤外分光放射計 他 バッテリーセル交換 関連情報
Malvern Panalytical社(旧ASD社)のハイエンド地表観測・リモートセンシング機器「ASD FieldSpec 4 可視・近赤外分光放射計」と、ご提示いただいた純正バッテリー(CG2203)に関する運用・関連情報をガイド調にまとめました。
🧭 ASD FieldSpec 4 運用ガイド
1. 電源システムとバッテリー(CG2203)の特性
本装置はフィールドでの長時間運用を想定しており、電源管理がデータ収集の成否を分けます。
- バッテリー仕様: 型番 CG2203
- 仕様: 12V / 9000mAh(ニッケル水素:Ni-MH)
- 駆動時間: フル充電時で約6時間の連続駆動が可能です。
- メンテナンス(リフレッシュ)の重要性: Ni-MH(ニッケル水素)バッテリーは、継ぎ足し充電を繰り返すと一時的に容量が低下する「メモリー効果」が発生します。現場での突然のシャットダウンを防ぐため、定期的な充放電(リフレッシュ)や、専門業者によるセル交換(リフレッシュサービス)の利用が推奨されます。
2. FieldSpec 4 の主要スペックと特長
地球観測衛星データの地上検証(地上真値/グランドトゥルースの取得)や地質調査において、世界標準として広く使用されています。
- 波長範囲: 350 nm ~ 2500 nm(可視・近赤外〜短波長赤外域をカバー)
- 高速測定: 1スキャンあたりわずか 100ミリ秒
- 検出器構成:
- VNIR(可視・近赤外: 350-1000 nm): 512素子シリコンアレイ
- SWIR 1 & 2(短波長赤外: 1000-2500 nm): 2段階TE冷却(電子冷却)型InGaAsフォトダイオード
- 光ファイバー: 接合部での信号損失を防ぐため、工場出荷時に固定されたパーマネント光ファイバーケーブル(標準視野角 25°)を採用。
3. フィールド測定における重要関連情報
① キャリブレーション(校正)とアクセサリ
正確な反射率データを取得するためには、測定環境に応じた最適化が不可欠です。
- ホワイトリファレンス(白板): 太陽光の変動に対応するため、測定前および定期的に「Spectralon(スペクトラロン)」などの標準白板を測定し、最適化(Optimization)とベースライン補正を行う必要があります。
- 人工光源の活用: 曇天時や室内、夜間の測定には、専用の接触式光源プローブ(Contact Probe)や、植物の葉を挟んで測定するリーフクリップ(LeafClip)などのオプション光源(ハロゲンランプ等)を接続して運用します。
② ソフトウェアとデータ処理
- 制御ソフト:
RS3もしくはHigh Contrast RS3ソフトウェアを使用し、PC(Windows)と本体を有線LAN(Ethernet)またはWi-Fi(802.11g)で接続してリアルタイムで制御します。 - ポストプロセッシング: 収集したスペクトルデータは、専用ソフト
ViewSpec Proを用いて、テキスト、Excel、あるいはリモートセンシング標準解析ソフト(ENVIなど)が読み込める形式に一括変換が可能です。
③ 環境耐性と保管上の注意
- 動作温度: 0℃ ~ 40℃⚠️ 注意: 短波長赤外(SWIR)検出器はTE冷却によって極低温に制御されています。炎天下での連続使用など、本体温度が上昇しすぎると冷却が追いつかず、ノイズ(NEdL)が増大する原因になります。日陰を作るなどの熱対策が有効です。
- 保管温度: -15℃ ~ 45℃(長期間使用しない場合は、バッテリーを本体から外し、適正な湿度・温度で保管してください)
分光放射計は光学機器かつ精密電子機器であるため、バッテリーの電圧安定性と、本体の温度管理がデータ精度に直結します。現場へ赴く前の充電チェックと白板の準備を万全に行うことが、高品質なスペクトルデータ取得への鍵となります。

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