[FNB-31]YAESU 八重洲無線 FT-51 FT-11 FT-41無線機関連情報
YAESUの名機 FT-51/11/41とバッテリーFNB-31を巡る旅へようこそ!
アマチュア無線の世界に足を踏み入れた方、あるいは懐かしい時代を思い出すベテランの方へ。ここでは、八重洲無線(YAESU)が誇るハンディトランシーバーの名機、FT-51、FT-11、FT-41、そしてこれらの機種を支えたバッテリーパックFNB-31について、その魅力と現在における付き合い方をガイド調にご紹介します。
心臓部を知る:バッテリーパック FNB-31 ガイド
これらのトランシーバーを動かす「心臓部」ともいえるのが、バッテリーパック FNB-31 です。
- 基本スペック: FNB-31は、4.8V 600mAhの容量を持つニッカド(Ni-Cd)電池パックです。当時のハンディ機としては標準的な仕様で、多くのオペレーターに愛用されました。
- 対応機種: FT-51、FT-11、FT-41の主要な電源として設計されています。
- 現在の状況と注意点:
- 入手は困難: 残念ながら、純正のFNB-31はすでに生産終了しており、新品での入手は非常に困難です。オークションサイトなどで中古品が見つかることもありますが、発売から年月が経っているため、性能が著しく低下している、あるいは全く使用できない可能性が高いと考えましょう。
- ニッカド電池の特性: ニッカド電池は「メモリー効果」を起こしやすい特性があります。完全に放電しないまま充電を繰り返すと、本来の容量まで充電できなくなることがあります。また、寿命も現在のリチウムイオン電池などと比べると短めです。
- 復活への道 – セル交換サービス: 諦めるのはまだ早いかもしれません!一部のバッテリー専門業者では、FNB-31の内部の電池セルを新しいもの(多くはニッケル水素(Ni-MH)など、より高性能なもの)に交換してくれるサービスを提供しています。これにより、FNB-31を現代の性能で蘇らせることが可能です。費用はかかりますが、愛機を使い続けたい方にとっては有力な選択肢となるでしょう。Ni-MH 1000mAhにセル交換された場合、初期の充電時間は1時間程度で様子を見て、充電器の容量で逆算する形で充電するのが過充電を防止するには良いかもしれません。充電器のタイプによっては、Ni-Cd充電器でもNi-MHに対応しているケースがあり、程よい充電時間で充電がストップするようであれば、以後は放置しても大丈夫と思われます。
デュアルバンドの雄:YAESU FT-51 ガイド
FT-51は、144MHz帯と430MHz帯の2つのバンド(デュアルバンド)に対応した、当時としては画期的なハンディトランシーバーでした。
- 魅力と特徴:
- デュアルバンド: 1台でVHFとUHFの主要なアマチュアバンドをカバーできる利便性は、多くのユーザーを魅了しました。
- 5W出力: ハンディ機ながら十分なパワーを持ち、様々なシーンで活躍しました。
- 多機能性: スペクトラムスコープ機能などを搭載し、当時の最先端を行くモデルでした。
- アナログの温かみ: デジタル通信が主流となった今、アナログ波ならではの、時にノイズ混じりながらも遠くまで届く独特の通信フィールに魅力を感じる方も少なくありません。
- 乾電池運用: オプションのケースを使えば乾電池でも運用でき、非常時の備えとしても頼りになりました。
- 今、FT-51を楽しむには?: 中古市場で手に入れることができます。バッテリーは前述のセル交換や、乾電池ケースを探すのが現実的です。アンテナも純正品にこだわらず、現行のBNCコネクタ対応ハンディ機用アンテナを選ぶと良いでしょう。
シンプル・イズ・ベスト:YAESU FT-11 & FT-41 ガイド
FT-51が多機能モデルなら、FT-11とFT-41は、それぞれのバンドに特化したシンプルで堅実なモデルです。
- FT-11: 144MHz帯に対応したFMハンディ機。VHF帯でのローカルQSO(近距離通信)を中心に活躍しました。
- FT-41: 430MHz帯に対応したFMハンディ機。UHF帯のクリアな通信を楽しみたいユーザーに選ばれました。
- 共通の特徴: FT-51に比べると機能はシンプルですが、その分、操作が分かりやすく、信頼性の高いモデルとして評価されていました。FNB-31バッテリーパックを共有できる点もポイントです。
- 現在の立ち位置: FT-51同様、中古市場で見つけることができます。基本的な性能はしっかりしているため、バッテリーの問題をクリアできれば、今でもローカルQSO用として十分に楽しむことができます。FT-41は経年劣化によるコンデンサの問題が報告されることもあるため、入手時には注意が必要です。
これらの名機を愛用し続けるためのヒント
これらの古い機種を現在も使い続けるには、いくつか注意点があります。
- バッテリー: 最大の課題です。FNB-31のセル交換を検討するか、乾電池ケース(入手できれば)を活用しましょう。自作や改造には電気的な知識とリスクが伴うため、十分な注意が必要です。
- メンテナンス: 製造から時間が経過しているため、内部の電子部品(特に電解コンデンサ)が劣化している可能性があります。送受信の不調や異音などがあれば、修理が必要になる場合がありますが、メーカーでの修理は困難であり、専門知識を持つ業者や個人に依頼することになります。
- 電波法とスプリアス: 非常に重要な点です。 これらの古い無線機は、現在の技術基準(特にスプリアス発射の強度に関する規定)を満たしていない可能性があります。2007年11月30日以前に製造・保証認定された無線機を継続して使用する場合、スプリアス確認保証を受けるか、測定により新基準に適合していることを確認する必要があります。 詳しくは、総務省の電波利用ホームページやJARD(日本アマチュア無線振興協会)の情報を必ず確認してください。無許可や基準外の電波を発射することは法律で禁じられています。
おわりに
YAESUのFT-51、FT-11、FT-41は、アマチュア無線の楽しさを多くの人に伝えてきた名機です。技術は進化しましたが、これらの無線機が持つ魅力や、当時の思い出は色褪せません。バッテリーや法的な注意点をしっかりと理解した上で、古き良きアマチュア無線の世界を、今一度楽しんでみてはいかがでしょうか。
注意: このガイドは一般的な情報を提供するものであり、個々の無線機の状態や法的な適合性を保証するものではありません。無線機の使用にあたっては、必ず最新の法令や情報を確認し、自己責任において運用してください。

