[BP-267]アイコム ICOM IC-T90、ID-91 他 バッテリーセル交換
アイコム BP-267と対応無線機ご利用ガイド
アマチュア無線愛好家の皆様、こんにちは。 ここでは、長年にわたり多くの無線家に愛されてきたアイコム(ICOM)製のバッテリーパック「BP-267」と、その対応機種である名機「IC-T90」や「ID-91」について、改めてその魅力とご利用のポイントをご案内します。
バッテリーパック BP-267 とは?
BP-267は、アイコム製ハンディトランシーバーのために開発されたリチウムイオンバッテリーパックです。
- 種別: リチウムイオンバッテリーパック
- 電圧・容量: 7.4V / 1200mAh (typ.)
ニッカド電池やニッケル水素電池が主流だった時代に、小型・軽量でありながら十分な容量を持つリチウムイオンバッテリーは、移動運用の快適性を大きく向上させました。
【充電について】 BP-267の充電には、専用の急速充電器**「BC-167S」(ACアダプターBC-168が必要)や、多連装充電器「BC-139」**(別途ACアダプターが必要)などが使用されます。
主な対応トランシーバーのご紹介
BP-267は、以下のような特徴的なハンディトランシーバーに対応していました。
1. IC-T90/T90A/T90E
画像出典: 株式会社アイコム
2002年頃に発売された、50MHz/144MHz/430MHzの3バンド(トライバンド)を1台で送受信できる画期的なモデルです。広帯域受信機能も搭載しており、コンパクトなボディに多機能を詰め込んだことで、多くのアマチュア無線家に支持されました。まさに「ポケットの中の多機能シャック」として、今なお根強い人気を誇ります。
2. ID-91
画像出典: 株式会社アイコム
2007年頃に登場した、144MHz/430MHz帯対応のD-STAR®標準方式デジタルハンディトランシーバーです。2波同時受信やGPS(オプション対応)との連携など、デジタル通信の黎明期において先進的な機能を搭載し、D-STARの普及に大きく貢献したモデルとして知られています。
その他の対応機種
上記以外にも、ID-80などの機種でBP-267が採用されていました。
ご利用にあたっての現在の状況とアドバイス
BP-267および、IC-T90、ID-91といった対応無線機は、すべてメーカーでの生産を終了しています。 しかし、その魅力から現在も中古市場などで取引されており、愛用されている方も少なくありません。これから入手されたり、引き続きご愛用されたりする際のポイントをご案内します。
1. バッテリーの入手について 純正の新品「BP-267」の入手は非常に困難です。そのため、以下の方法が考えられます。
- 中古品: 無線機本体の付属品や、単体で中古市場に出回ることがあります。ただし、リチウムイオンバッテリーは経年劣化しますので、性能が低下している可能性があることを念頭に置いてください。
- 互換品: サードパーティから互換バッテリーが販売されている場合があります。純正品とは性能や安全基準が異なる可能性があるため、レビューなどを参考に、信頼できる販売元から自己責任でご購入ください。
2. リチウムイオンバッテリーの取り扱い注意点 リチウムイオンバッテリーを安全に長くお使いいただくために、以下の点にご注意ください。
- 経年劣化: 使っていなくてもバッテリーは少しずつ劣化します。充電の持ちが悪くなったり、バッテリーパックが膨らんできたりした場合は、使用を中止してください。
- 長期保管: 長期間使用しない場合は、バッテリーを50%程度充電した状態で、無線機から取り外して保管することが推奨されます。満充電や完全放電状態での長期保管は、劣化を早める原因となります。
- 充電器: 必ず指定の純正充電器、または信頼性の高い互換充電器を使用してください。
これらの名機をこれからも末永くお楽しみいただくために、バッテリーの管理は非常に重要です。本ガイドが、皆様の快適なアマチュア無線ライフの一助となれば幸いです。