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[P-50AA]National Panasonic ナショナル パナソニック ベルタイマー TD70、TD71 他 バッテリーセル交換

National Panasonic ベルタイマー TD70, TD71 バッテリーセル交換ガイド

お使いのNational Panasonic製ベルタイマーの時刻がずれる、停電後に設定が消えてしまうといった症状は、内蔵されているバッテリーの寿命が原因かもしれません。このガイドでは、ご自身でバッテリーセルを交換される際の参考情報を提供します。

はじめに:バッテリーの役割と交換の必要性

ベルタイマーに内蔵されているバッテリー(ニッカド電池)は、停電時に時計機能やプログラムされたタイマー設定を保持するための「バックアップ電源」として非常に重要な役割を担っています。

  • バッテリーが正常な場合: 短時間の停電が発生しても、復旧後には元の時刻や設定を維持しています。
  • バッテリーが寿命の場合: 停電が発生すると、時刻がリセットされたり、設定したプログラムが消えてしまったりします。

メーカーの推奨するバッテリーの寿命は概ね3年~5年程度とされています。長年ご使用の機器では、バッテリーが劣化している可能性が非常に高いと言えるでしょう。

対象となるバッテリーと機種(例)

  • バッテリー型番: P-50AA (または同等仕様のニッカド電池)
  • 対象ベルタイマー機種:
    • TD70
    • TD71
    • その他、同タイプのバッテリーを使用している旧型ベルタイマー

交換用バッテリーの入手について

純正の「P-50AA」は現在、生産終了となっており入手は困難です。そのため、同等の仕様を持つ互換バッテリーを探す必要があります。

  • 仕様: 1.2V, 500mAh程度の単3形ニッカド(Ni-Cd)電池
  • 形状: タブ付き(基板へのはんだ付けを容易にするため、電池の電極に金属の板(タブ)が溶接されているもの)
  • 入手方法:
    • オンラインストア: 「P-50AA 互換」や「タブ付き 単3 ニッカd電池」などのキーワードで検索すると、電子部品を扱う専門のオンラインストアで見つけることができます。
    • 専門店: 秋葉原などの電気街にある電子部品専門店で相談してみるのも良いでしょう。

ご注意: リチウムイオン電池やニッケル水素電池など、種類や電圧の異なる電池は絶対に使用しないでください。機器の故障や事故の原因となります。必ず指定と同じ種類(ニッカド)、同じ電圧の電池を使用してください。

交換作業の一般的な流れと注意点

【警告】 以下の作業は、電気的な知識と、はんだ付けの技術を要します。作業には感電のリスクや、機器を破損させる可能性があります。自信のない方は、専門の業者へ依頼することを強くお勧めします。

必要な道具(例)

  • プラスドライバー(本体ケースを開けるため)
  • はんだごて、はんだ
  • はんだ吸い取り線(または吸い取り器)
  • 新しい交換用バッテリーセル(タブ付き)
  • ニッパー

作業手順の概要

  1. 電源の遮断: 安全のため、必ずベルタイマーに接続されているAC100Vの電源をコンセントから抜いてください。
  2. 本体の分解: 本体裏側のネジを外し、ケースを開けます。
  3. 基板の確認: バッテリーが実装されている基板を取り出します。多くの機種で、バッテリーは基板に直接はんだ付けされています。
  4. 古いバッテリーの取り外し:
    • 基板の裏側から、バッテリーの足(タブ)がはんだ付けされている箇所を確認します。
    • はんだごてを使い、はんだを溶かしながら、はんだ吸い取り線で古いんだを取り除きます。
    • バッテリーを基板から丁寧に取り外します。この時、基板のパターンを傷つけないように注意が必要です。
  5. 新しいバッテリーの取り付け:
    • バッテリーのプラス(+)とマイナス(-)の向きを、基板の表示に正しく合わせます。(極性を間違えると、機器の故障や電池の破裂につながるため、最も重要な確認項目です)
    • 新しいバッテリーの足(タブ)を基板の穴に通し、裏側からはんだ付けします。
  6. 組み立てと動作確認:
    • 基板とケースを元通りに組み立てます。
    • 電源を接続し、時刻やタイマーの設定が正常に行えるか、また停電状態(コンセントを抜くなど)を数分間作り、設定が保持されるかを確認します。

専門業者への依頼

ご自身での作業が難しい場合は、電気工事店や、電子機器の修理を専門に行っている業者へ相談しましょう。「ベルタイマーのバッテリー交換」に対応可能か、事前に問い合わせてみてください。


このガイドが、お使いのベルタイマーをこれからも長く活用するための一助となれば幸いです。安全には十分注意して作業を行ってください。

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