[P/N:B02-06-001G]VeEX VePAL CX380 ケーブルテレビ関連測定器 CATVポータブルスペクトラムアナライザ バッテリーセル交換 関連情報
VeEX VePAL CX380 CATVポータブルスペクトラムアナライザ 活用ガイド
ここでは、ケーブルテレビ(CATV)の現場で強力なパートナーとなる測定器「VeEX VePAL CX380」(P/N: B02-06-001G)について、その能力を最大限に引き出すための情報と活用法をガイド形式でご紹介します。
1. VePAL CX380とは? – 現場の要求に応える多機能アナライザ
VePAL CX380は、CATVネットワークの新規設置、保守・点検、そして障害発生時のトラブルシューティングといった、あらゆる場面で迅速かつ正確な測定を可能にするために設計された、ポータブルなスペクトラムアナライザです。
従来、複数の測定器が必要だった作業をこの一台に集約。堅牢かつ軽量なボディに、直感的に操作できるタッチスクリーンを搭載し、フィールドでの過酷な環境下でも高いパフォーマンスを発揮します。
P/N: B02-06-001G は、CX380シリーズにおける特定の構成やソフトウェアオプションの組み合わせを示している可能性があります。基本的な機能は共通ですが、詳細な仕様についてはご購入元や公式の仕様書をご確認ください。
2. 主な特長と機能 – これ一台でCATVネットワークを完全診断
CX380は、アナログ放送から最新のDOCSIS 3.1まで、幅広いCATV信号の品質測定に対応する多彩な機能を備えています。
機能分類 | 主な測定項目・性能 |
---|---|
スペクトラム解析 | ・周波数範囲: 5MHz ~ 1GHz以上(モデルにより異なる)<br>・**流合雑音(イングレスノイズ)**の特定<br>・高速スイープによる断続的なノイズの捕捉 |
デジタル/アナログ信号測定 | ・レベル測定: チャンネルごとの信号レベルを正確に測定<br>・MER (変調誤差比): デジタル信号の品質を示す重要な指標<br>・BER (ビットエラーレート): 伝送路でのエラー発生率を測定<br>・コンスタレーション表示: QAM変調信号の状態を視覚的に解析 |
DOCSIS 3.1対応 | ・OFDM信号解析: 次世代高速通信規格の信号を詳細に分析可能<br>・PLC (Physical Layer Control)情報のデコード |
スイープ機能 | ・上り/下り周波数帯域の周波数特性を測定<br>・アンプや各種機器の調整に不可欠 |
便利な追加機能(オプション) | ・光パワーメータ: 光ファイバー区間の光損失を測定<br>・TDR (Time Domain Reflectometer): ケーブルの断線やショート箇所までの距離を特定 |
3. 現場での活用シーン – いつ、どのように役立つのか?
CX380は、日々の業務の様々なシーンでその真価を発揮します。
【シーン1:宅内への新規引き込み工事】
- 作業内容: お客様宅のテレビ端子で信号品質を確認する。
- CX380の活用:
- レベル測定で、各チャンネルの信号レベルが規定値内にあるかを確認します。
- チルト測定で、周波数の低いチャンネルと高いチャンネルのレベル差が適切かを確認し、幹線からの信号バランスを評価します。
- MER/BER測定で、デジタル放送やインターネット通信の品質を保証します。
【シーン2:ネットワークの定期メンテナンス】
- 作業内容: 幹線や分配器など、主要ポイントの信号品質を定期的にチェックする。
- CX380の活用:
- スペクトラムアナライザ機能を使い、予期せぬノイズ(特に上り帯域へのイングレスノイズ)が混入していないかを監視します。
- 全チャンネル自動測定機能を使い、短時間で多数のチャンネルデータを記録し、前回の測定値と比較して品質の劣化がないかを確認します。
【シーン3:「インターネットが繋がらない」等の障害対応】
- 作業内容: お客様からの障害申告を受け、原因を特定し復旧させる。
- CX380の活用:
- まず、お客様宅の信号をスペクトラムモードで確認。特定の帯域に強いノイズがあれば、それが原因である可能性が高いと判断できます。
- DOCSIS解析機能で、ケーブルモデムが正常に通信できているか、MERやBERが極端に悪化していないかを確認します。
- 問題が見つからない場合、**TDR機能(オプション)**を使い、宅内配線や引き込みケーブルに断線やショートがないかをチェックします。
4. まとめ
VeEX VePAL CX380は、CATV技術者が直面する様々な課題に対応するための強力なソリューションです。その多機能性と優れた操作性は、作業の効率化とサービス品質の向上に大きく貢献します。このガイドを参考に、CX380を日々の業務に最大限ご活用ください。